きものを愉しむ

2022/09/13

七五三のいろは ~三つ詣り(女の子)~

             

日もだんだんと短くなり、季の移ろいを感じる長月です。

いつもご覧いただきありがとうございます。

さて、前回は七五三の起源についてご紹介させていただきました。
ここからは「実際に何をご準備していけば良いのか」をお伝えまいりたいと思います。

今回は三つ詣りについてです。

三つ詣りといいますとまだまだ赤ちゃんのような、よちよち、、
とした雰囲気も残り、大変可愛らしい時期でございます。

お仕立方法などは一つではございませんので、一例ということでご参考にしていただけますと幸いでございます。
また、最近では男の子も三つ詣りをされるケースもございますが、今回は女の子に関してご紹介させていただきます。

【必要なもの】

1.  きもの
2.  被布
3.  兵児帯
4.  袖襦袢
5.  草履
6.  バッグ
7.  髪飾り
8.  足袋
9.  腰紐


【それぞれの詳しい解説】

● きもの ●

新しくお誂えの場合、「三つ身」と呼ばれる三つ詣り用のきものや、可愛らしい反物からお作りになります。
また、初着からお仕立替えの場合は、肩や腰に揚げをとり、三つ詣り用にします。
後日、その状態から初着に戻すことも可能です。

● 被布 ●

三つ詣りでも「きものに帯」というスタイルでも構いませんが、お子様の着心地と可愛らしさを考え、「きものに被布」というスタイルが多いように思います。
七五三の季節のことも考慮いたしますと、被布が防寒の役割も果たしてくれます。
被布飾りもついており、お顔もとが大変華やかになります。

● 兵児帯 ●

浴衣の際にお使いになられるものと同じで大丈夫です。

● 袖襦袢 ●

大人のようなきっちりとした長襦袢になると重くもなりますので、ゑり善では袖襦袢をおすすめすることが多くございます。

一番下には普段お洋服の時にお召しになられている肌着を、その上に袖襦袢をお召しになります。
ある程度の長さもございますので、長襦袢のような役割になります。

胴部分はさらし(綿)になっており、袖部分は可愛らしいお柄やお色の生地を付けます(正絹または化繊)。
初着からお仕立替えの場合は、初着に付いている袖布をお使いいただけます。

こちらに可愛らしい縫いの半衿を付け、お顔まわりが華やぎます。

● 草履 ●

草履台、そしてきものに合う鼻緒をお選びいただきます。
絞りや刺繍など、お子様らしいお色目は今しか楽しめないもの でもございます。

実際に履いてくれるかどうか…というご心配をなさる親御様もいらっしゃいますが、
やはり写真撮影の時だけでもきちんとしたお姿で残されると良いものでございますね。

● バッグ ●

七つ詣りのバッグとは違い、小さめで巾着のような、より可愛らしいバッグ。

こちらも草履と同じく、ずっと持ってくれるかどうか…
と思われる親御様もいらっしゃるかもしれませんが、写真撮影の時だけでも持っていてほしいもの。

また、お子様によってはバッグの中に口紅や好きなものを入れてお子様にお渡しになると、気合いが入って喜んで持ってくださるお子様もいらっしゃるようです。さすが女の子さんですね。

● 髪飾り ●

可愛らしさを増すアイテムであり、お子様のやる気を引き立てる材料にもなるかもしれないもの。
三つ詣りのお子様の髪の毛を考えますと、かんざしや櫛のタイプより、
ピン(いわゆるパッチン留め)につまみ細工などがついたタイプをお選びになる方が多いです。

ゑり善でも七五三用の髪飾りをご用意いたしております。

● 足袋 ●

ストレッチのタイプがございますので、お子様でも靴下の感覚でお履きいただけるかと思います。

● 腰紐 ●

必要な本数など、着付けされる方によって異なる場合もございますので、ご確認くださいませ。


各店によっても少し異なりますが、毎年だいたい7月中旬頃から七五三のお品を揃え始めます。
お仕立てのお日にちも考慮いたしますと、9月半ば頃までにお品を決めていただくケースが多いようです。

お祝い事でございますので、どうぞお時間に余裕を持たれてゆっくりお選びいただけますと幸いでございます。

お子様にとっても親御様にとっても、その時しかやってこない七五三。
ご家族の大切な1ページのため、最善のお手伝いをさせていただけますように。

ご相談等だけでもどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

京都・銀座・名古屋にて呉服の専門店として商いをする「京ごふくゑり善」の代表取締役社長として働く「亀井彬」です。
日本が世界に誇るべき文化である着物の奥深い世界を少しでも多くの方にお伝えできればと思い、日々の仕事を通して感じることを綴っていきます。