“学生の街”京都で、若い世代と着物の魅力と未来を探る
いつも弊社のブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。
京ごふくゑり善の亀井彬でございます。
朝晩の冷え込みに本格的な秋の訪れを感じる季節となりました。
このページでは、「きものを愉しむ」をテーマに、着物の魅力を少しずつ更新いたしております。
さて、今回は掲題の通り、京都で学ぶ学生さんとの取り組み
「学んで 触れて 感じる 着物の魅力 体験会」についてご紹介いたします。
近年、呉服業界全体の市場規模は縮小の一途をたどっており、着物を装う文化が今後どのようになっていくのか。
和装振興がとても大きな課題になっております。
作り手の高齢化、次の世代の担い手不足も深刻で、供給、需要ともに、
この先10年分の課題がギュッと凝縮されて目の前に突き付けられているような状況です。
とはいえ、着物には必ず明るい未来がある、と日々の商いを通じて確信をいたしております。
「着物が身近なものではなくなってきている」という言葉は、決して今に始まったことではなく、
30年や50年前の書籍においても書かれていることが多く、随分前から言われてきたことが分かります。
却って、私と比較的近い世代(30代~40代)の方々とお話をしておりますと、
着物への関心は決して低くはなく、
いずれは着てみたいという需要がとても多く存在していることを実感致しております。
また、新型コロナウイルスの影響により、生活に劇的な変化が起こる中で、
「身近な人との大切な時間をいかに”豊か”に過ごすのか」という考え方が見直され、
文化を拠り所とし、その中で着物を愉しむという考えをお持ちになるお方も増えているように実感致しております。
そんな中、今の20歳前後のお方にとって”着物”はどのようなものとして映っているのか。
これから先10年・20年後を考えた時に、こうした世代の方は着物を着たいと思われているのか。
このような議論を実際に若い世代の方々と損得なしに話してみたいとずっと思っておりました。
・レンタルという形で着物がより便利に愉しめる中で、ひと時のファッションとして楽しむものになっているのか。
・購入をして所有するという価値観についてはどのように感じているのか。
・オンラインでの講義にもなれた世代にとって、店舗での対面販売はどのように受け止められているのか。
・素材や生地の違いなど、着物のこだわりに魅力を感じられるのか。
・ルールやしきたりは煩わしいものではなく、興味深いものと感じてもらえるのか。
・着物のある生活を過ごしてみたいのか。
などなど。
こうした状況の中で出会ったのが、「First Year Program in KYOTO」というものでした。
Try & Learnをコンセプトに、大学生活を「京都」でスタートする1回生のための新しい学びの講座。
その中の仕事体験にて弊社の仕事を体験し、ともに課題に取り組む機会を頂戴いたしました。
京都の大学に通う1回生が、サポーターと呼ばれる先輩の力も借りながら、企業が与えるミッションに取り組みます。
私たちゑり善からのミッションは「着物の魅力を若い世代に発信すること」
参加者自ら感じた着物の魅力を、同じ世代の方々に発信することに挑戦してもらっています。
始めて着物にふれる方、小さなころから芸事を通じて親しんできた方など、参加者の中でも着物とのつながりは様々。
皆さんが、ゑり善とのひと時を通して、「どんなことを感じ」、「どんな部分に価値を感じるのか」は、すべて学生さん任せです。
普段お越しになるお客様と同じように店舗をご案内し、
きものにまつわる大切な考え方や着物ならではの愉しみをお話し、体感していただきました。
また、西陣織のものづくりの現場や、日ごろからお着物をお召しになるお客様の貴重なお考えにふれる体験もしていただきました。
※吉田山荘の中村京古様・知古様にも、お忙しいご都合の中、ご協力を賜りました。
お忙しい中、涙が出るほど感動的なお話をお聞かせいただきましたこと、改めて厚く御礼を申し上げます。
こうした経験を通して、学生さんたちが感じた着物の魅力はどんなことなのか。
彼ら・彼女達は、短い時間で感じた着物の魅力を伝えるために、体験会を開いてみたい!というアイデアをまとめあげてくださいました。
その名も「学んで 触れて 感じる 着物の魅力 体験会」。
「まだ知らない着物の魅力を知ってもらえるように」との学生さんの想いが詰まったイベントです。
【開催概要】
<学んで 触れて 感じる 着物の魅力 体験会>
〇ところ:四条河原町 京都本店
〇と き:
2022年10月16日(日)
13:30~15:00
16:00~17:30
2022年10月17日(月)
10:30~12:00
13:30~15:00
※計4回 いずれも同様の内容で開催します
〇内 容:着物について学ぼう/実際に着物に触れてみよう
〇申込方法:事前予約が必要となります
→参加申し込みはこちらからお願いします
若い方たちが、真剣に着物に向き合い、感じ、考えた成果。
何分慣れない進行にはなりますが、もしもお時間がございましたら是非ご参加くださいませ。
この時間を通して、着物の未来にむけた純粋で貴重なご意見にふれ、
着物を装う喜びを待ちわびておられるお方が、たくさんおられることを知りました。
まだまだ小売店としてできることがたくさんあることを、私自身も実感する機会になっております。
最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
次回のブログでは、ご参加されている学生さんから、本イベントについてのご案内をしていただきます。
どうかお愉しみに…