きものを愉しむ

2024/02/07

いつもブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。
ゑり善の亀井彬でございます。

朝晩の冷え込みが厳しいこの時期ですが、節分もすぎ、何か少しずつ春の足音を感じる季節となりました。
温かな日差しに顔がほころぶこの時期は、紬のあたたかな風合いがなんとも心地がよいですね。
ついつい持っている着物の中からでも、真綿のふっくらとした着物に手が伸びます。

さて、そんな2月には、弊社では毎年「糸くりの詩」と題して、全国各地の織物に特化した展示会を開催いたしております。
こちらの地図、弊社に残る「現代日本染織地図」という資料です。

皆さんのお住まいのところにはどんな文字が書かれておりますか。
これだけ多くの染織品が日本各地にあったのだと実感致します。
先日北は山形、南は沖縄のお方とご一緒にお話しをすることがあったのですが、
雪がしんしんと降る東北と、そろそろ冷房を入れようかと思っているという沖縄の方がおられ、
南北に長い日本という国の多様な風土を実感致しておりました。

その土地の空気を含んだ、その土地ならではのものには、
よい意味での個性があり、そうした個性を楽しめることは、着物の持つ魅力なのだと感じております。

 

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2024/02/01

新しい年になり早くも2か月目のスタートです。
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
本店・営業の久保田でございます。

突然ですが皆様はドラマなどご覧になりますか。
日曜日の20時といえば……そう、大河ドラマです。
1月から新しい物語が始まりましたね。今年の中心人物は紫式部。
私事ですが、大学では日本の古典文学と和歌などの韻文を中心に学んでおり、平安時代は一番好きな時代ですのでこの大河ドラマをとても楽しみにしておりました。

さて、紫式部と言えば何を思い浮かべますか?
なんといっても有名なのはやはり『源氏物語』でしょう。
天皇の皇子として生まれ、才能にも容姿にも恵まれた光の君が、様々な女性と関わりながら恋に生き、また栄華を極めていくお話です。

なんとなくお話は知っていても54帖全て読んだことのある方はそう多くないかもしれません。
とても長いお話ですので全容を知るのも一苦労です。
私も大学の授業で『源氏物語』をとりあげることがありましたので、かいつまんであらすじを知ったり、多少本文を読んだりはしましたが、お恥ずかしながら最初から最後まで通して読んだことはまだありません。
先日やっと漫画で全体のあらましを知りましたので、次は現代語訳、はては原文を読んでみたい…と思っております。一生のうちにやり遂げたいことのひとつです。

 

『源氏物語』は当時の貴族文化を知るのにうってつけの作品ともいえます。
当時の人たちが嗜んでいたもの、好ましいと思っていたもの、行われていた行事や儀式など、光源氏の生い立ちを追いながら合わせて知ることができます。
現代の感覚では共感できないこともあれば、当時の人も同じようなことを考えていたのかと気付かされることもあります。
ずっと前から変わらない人の心に時代を経ても繋がりを感じることができる、それが古典の楽しみのひとつではないかと思います。

それでも、たくさんの登場人物に時代背景もよくわからないとなかなか本を開いてみるのも気が向かない、なんてこともあるかもしれません。
その場合は「目で見て楽しむ」というのはいかがでしょうか。

 

物語の一場面などを絵画に起こした絵巻物。国宝に『源氏物語絵巻』がございます。

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京都・銀座・名古屋にて呉服の専門店として商いをする「京ごふくゑり善」の代表取締役社長として働く「亀井彬」です。
日本が世界に誇るべき文化である着物の奥深い世界を少しでも多くの方にお伝えできればと思い、日々の仕事を通して感じることを綴っていきます。