きものを愉しむ

2024/07/31

身も焼かれそうなほど日差しの強い日が続いておりますが、皆様おかわりなくお過ごしでしょうか。
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
本店・営業の久保田でございます。

夏休みシーズンに入りました。公園などを通ると、お子様たちが元気に遊んでおります。
本店では店頭に七五三のお品物が並び始めました。
七五三の時期は11月ですが、お仕立ての期間もありますので9月頃までにお探しになる方が多くいらっしゃいます。
お子様が夏休みの間にお着物探しというのもいかがでしょうか。

お宮参りに始まり、七五三や成人式…日本人が大切にしてきた行事ごと。それぞれ由来があり願いが込められています。歴史までは知らずとも、そういった行事をすることで身の引き締まるような、喜ばしいような気持ちになることはあるのではないでしょうか。
七五三について、揃えるものなどは以前のブログにてご紹介させていただきましたので、今回はそういった「思い」のほうに焦点を当ててみたいと思います。

 

(さらに…)

2024/07/09

いつもゑり善のブログ「きものを愉しむ」をご覧いただき誠にありがとうございます。
ゑり善の主人 亀井彬です。

今年令和6年は、梅雨入りが昨年と比べて23日も遅い6月21日となりました。
梅雨入り後は、湿度の高い蒸し蒸しとした日々が続いております。

京都の市街地は東山、北山、西山という三方を山に囲まれた盆地。そのため、風が弱くなるという地理的な特徴がございます。
このまとわりつくような暑さを体感すると、府外からお越しになられた方が、「京都駅に降りた瞬間の暑さが独特!」とおっしゃる理由がよくわかります。

さて、そんな暑い夏の京都の風物詩といえば、やはり「祇園祭」です。
「葵祭」・「時代祭」とあわせて京都三大祭と呼ばれている大切な祭。
また,大阪の「天神祭」・東京の「神田祭」と並んで日本三大祭の1つに数えられています。

7月1日の「吉符入」にはじまり、31日の「疫神社夏越祭」まで、1か月にわたって各種の神事や行事が行われていきます。
特に16日の宵山、17日の山鉾巡行は全国的に有名で、四条河原町の交差点で山鉾がゆっくりと向きを変える辻回しは多くの方にとって馴染みのある景色なのではないでしょうか。

■祇園祭が始まった訳…
さて、八坂神社の公式サイトを見ますと、

「古くは、祇園御霊会(ごりょうえ)と呼ばれ、貞観11年(869)に京の都をはじめ日本各地に疫病が流行したとき、勅を奉じて当時の国の数66ヶ国にちなんで66本の矛を立て、祇園社より神泉苑に神輿を送って、災厄の除去を祈ったことにはじまります。」
と書かれております。

長い歴史の中で幾度となく疫病の蔓延を経験してきた日本人。京都の地理的背景によって、暑さと湿気がもたらす疫病に対して、その原因を悪霊や鬼の仕業をみなし、祭礼によって追い出してしまおうという疫病対策が、長い歴史を経て、毎年の恒例行事となったものといえます。

記憶に新しい新型コロナウイルスの蔓延があった時にも、2020年・2021年の2年間が開催できなかった山鉾巡行について、2022年は全国的にも早い段階で実施が決定され、そのニュースが京都の街を明るくしたことを鮮明に記憶しております。

こうした歴史的背景に触れてみると、疫病に怯え守りを固めるだけでなく、祭礼という形で、多くの方の気持ちを結集させて、悪霊や鬼を追い出す!という攻めの気持ちが祇園祭を支えているように感じます。

■祇園祭の愉しみ方
そんな祇園祭の愉しみ方を今回はご紹介いたします。
京都の夏は暑くて… 人が多くて…
というお気持ちもとってもよくわかりますが、やはり実際に見て味わうことで生まれる感動はひとしお。
京都の街に繰り出して、夏を存分に愉しむ(できればお着物で…)きっかけになりましたら幸いです。

(さらに…)

京都・銀座・名古屋にて呉服の専門店として商いをする「京ごふくゑり善」の代表取締役社長として働く「亀井彬」です。
日本が世界に誇るべき文化である着物の奥深い世界を少しでも多くの方にお伝えできればと思い、日々の仕事を通して感じることを綴っていきます。