きものを愉しむ

2022/12/16

~晴れやかに きもので正月 縁起よし~

寒さもひとしお身にしみる頃、皆様いかがお過ごしでございますでしょうか。
いつもご覧いただきありがとうございます。
本店・営業の大西でございます。

お家の大掃除に、年末年始のお仕度など、師走はなにかと気ぜわしいけれども、やっぱり日本人にとってお正月は特別!
そんな特別な日を「きもの」でお迎えしてみるのはいかがでしょうか。
お正月のきものは、実はそんなに堅苦しくはなく、ある意味あまりルールがないのが良いところ。
きものを着ることで、いつもとはちょっとちがう特別なお正月、初詣になることと思います。

きものが「大変なもの」や「めんどうなもの」ではなくなる小さな工夫もあわせて、お伝えさせていただきます。

 

先述いたしましたように、あまりルールがないのがお正月、初詣の良いところ。
あくまでも、お正月を晴れやかにお迎えになりたいというお気持ちが一番でございますので、お好きなものをお召しいただいて大丈夫なのです。
例えば、成人式以来久しぶりの振袖でも、お嫁入道具がたんすの肥やしとなっている訪問着、付下、色無地、小紋でも、もちろん大島などの紬でも。。

掲載写真は赤崩紬(あかくずれつむぎ)に、干支でもあるうさぎが染められた帯を合わせてみました。皆様、うさぎさんを見つけていただけましたでしょうか..? お正月にぴったりで、なんとも可愛らしい、 ころんとしたうさぎさんです。
きものは草木染ならではの温かみのある色合いが、寒さを少し和らげてくれるようにさえ感じられます。

そしてお子様には、七五三でお召しになられたものをせっかくなのでもう一度!というのには大変良い機会だと思います。せっかくご準備されたお祝い着。翌年には少し小さくなっているきもの。「七五三、せっかくなのに一度きりだともったいないな..」という方はたくさんいらっしゃることと想像いたします。

お正月、ご親戚が集合し、おばあちゃんが着付けを教える。孫に着付ける。。
そんな時間は10年、20年と経っても思い出すような、お金に換えられない時間となることでしょう。
お洋服より少し大変かもしれませんが、きものを準備をする時間は、心豊かにお正月をお迎えできるよう皆様のお心を整えてくれるもののように感じます。

「きもの」という一種のツールを通して家族が繋がることは、日々をせわしなく過ごす私たち現代人にとって贅沢な時間なのかもしれません。

 

最後に、きものを楽しく続けることができている私なりの工夫が少しでもご参考になれば、、幸いでございます。特に普段きものをお召しにならない方にとっては、「大変」「めんどう」というイメージであるかもしれません。実は私もこの業界に入り、自分自身がきものを着始めるまではイメージだけが先走り、そのように思っておりました。
しかし、いざ始めてみると思っていたほど「たいそう」なことではございませんでした。

ここで、私流にはなりますが、きものを「楽ちん」に楽しみ続ける工夫をお伝えしてみたいと思います。

 <その壱>  着付けの小物セットを常に作っておきます。帯枕や腰紐など、どんなきものを着るときにも必要なもの。たんすの中にバラバラにしまわず、風呂敷などで一つにまとめておくと大変便利です。あとは草履なども忘れないように、「要るものリスト」を作って一緒に風呂敷の中に入れております。

 <その弐>  明日着るきもの・長襦袢・帯は、前日にたんすから出しておいたり、きものハンガーにかけておくだけでも当日が楽ちん。一緒に帯〆・帯上も選んでおきます。

「特別な日にいつか着よう..」という、その「いつか」を新年にされてみるのはいかがでしょう。きものを着るとすっと背筋が伸び、いつもより所作がなんとなくきれいになり、気持ち晴れやかにスッキリといたします。そんな新たな気持ちで新年をお迎えになられますと、なんだか良い一年になるような気がいたしますね。

「洋服」「ファストファッション」「手軽さ」が時代の先頭をゆく21世紀の呉服屋として、販売だけではなく、きものを愉しむお手伝いをこれからもしてまいりたいと思っております。きものを「眺める」ものではなく「着るもの」として捉えていただけるよう、そして着たいと思っていただけるよう、来る2023年もうさぎのように飛び回る毎日でありたいとゑり善社員一同願っております。

本店営業・大西 絢子

京都・銀座・名古屋にて呉服の専門店として商いをする「京ごふくゑり善」の代表取締役社長として働く「亀井彬」です。
日本が世界に誇るべき文化である着物の奥深い世界を少しでも多くの方にお伝えできればと思い、日々の仕事を通して感じることを綴っていきます。