きもの初心者さんへ

2025/01/09

いつも「きものを愉しむ」を読んでくださっている皆様へ

新年あけましておめでとうございます。京ごふくゑり善の亀井彬でございます。

例年に比べると比較的暖かく、また穏やかな日差しを感じる新年となりました。日本の寿ぎのひと時、皆様はお着物にお袖を通されましたでしょうか。

京都本店がある四条河原町の付近ではお着物姿のお方同士でご挨拶を交わされる姿を目にするなど、この時ならではの新年の景色が広がっており、とても嬉しく思っております。

本日1月9日には八坂神社の蛭子船巡行が行われます。「祇園のえべっさん」には商業を営む多くの人々が商売繁昌を祈願してお参りされますが、今日は七福神を乗せた蛭子船が石段下・四条烏丸間を巡行するのです。こうした行事ひとつひとつも街と街を、また人と人とをつなぐ大切なひと時であることを実感致します。

さて、いつも弊社のブログ「きものを愉しむ」をご覧いただきまして誠にありがとうございます。本ブログは私たちが日々仕事を通して感じている様々なことを、読み物としてご覧いただければと思い、HPのリニューアルを行いました2022年3月より更新を続けてまいりました。

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2024/12/19

夏の暑さはどこへやら…急に寒くなってまいりました。
いつもご覧いただきありがとうございます。
本店・営業の久保田でございます。

お着物に興味を持ってくださっているお客様から耳にすることが多いのが「どんなものが自分に合うのかわからなくて…」というお言葉。
お着物選びって難しいですよね。顔映りの良さはもちろん、好きな色柄であること、着ていく場にふさわしい雰囲気であることなど、注目ポイントが様々ございます。

お着物選びが一筋縄ではいかない理由のひとつが“色数の多さ”ではないかと思います。
一見同じように見える色味でも濃さや明るさ、赤みがかっているか黄みがかっているか青みがかっているかなど微妙な差があるだけで、お顔に合わせたときの印象が大きく変わることもあります。
そこに柄の持つ雰囲気が加わると選択肢はいかようにも広がる、というわけでございます。

お客様にどんなお着物がお似合いになるか、販売員がいろいろとおすすめさせていただきながら一緒にお探しさせていただきたく思いますがお着物選びにハードルを感じておられる方は、柄はひとまずおいておき、まずはご自身にお似合いになる“色”を探すというのはいかがでしょうか。

今回はそんな“色”に焦点をあてたお着物、色無地のご紹介でございます。

 

~色無地の魅力~
色無地とは柄のない、一色に染められたお着物です。フォーマルかカジュアルかで比べるとフォーマルなお着物になりますが、紋の有無や合わせる帯の種類によって格調高くしたり少しおしゃれにしたり、幅広くお召しになることができます。
まずは特におすすめしたい色無地の良さをお伝えいたします。

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2024/11/07

店頭に来年の干支小物が並びだすと、今年もあと2か月か…としみじみ感じるようになりました。
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
本店・営業の久保田でございます。

さて、前回のブログでは黒留袖についてご紹介いたしました。
通常“留袖”と言えば黒留袖のことをさすのですが、黒留袖とは色留袖と区別するために呼ばれる場合が多いです。

色留袖はどんな場面で着たらいいの?というお声をよく耳にします。
一番に思いつくのは叙勲や結婚式などでしょうか。
そうはいってもそのような機会がなかなかなく、お家にある色留袖を着たくても着られない…といった方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんね。

お着物の中でもハードルを感じられてる方が多いように見受けられる色留袖。
実際は紋の入れ方などによって様々なご用途でお召しになることができるため、もっと身近に感じていただける種類のお着物なのです。

今回は紋の数ごとに場面を想定し、コーディネートとともにご着用シーンを紹介していきたいと思います。

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2024/10/18

いつもゑり善のブログ”きものを愉しむ”をご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
ゑり善の亀井彬でございます。

私たちゑり善は、天正12年、1584年に京染屋として商いを始め、襟地商(えりじしょう)としてのお手伝いをする中で、戦後からきもの全般を扱うようになりました。440年という歴史の中で、きもの自体は大きく形は変わらない中でも、様々な変化があって今に至ります。それは生活スタイルの変化によるものも大きく、その時代その時代で求められてきたものが変わってきた歴史でもございます。

今回は私たちが大切にお取り扱いを続けてきているお着物、”黒留袖”について、黒染めの歴史を中心にご紹介をさせていただきます。
特に近年ではご着用の機会は決して多いとはいえないお着物かもしれませんが、”黒”という色を活かした美しいお着物の代表格ともいえる黒留袖は、私たちにとっても大切なお品物の一つです。

■針も通りにくい黒
黒染めの歴史は古く、高貴な装束や法服などに用いられてまいりました。
もっとも古いと考えられる方法は墨を生地に付着させる方法であり、平安時代ごろから広く行われてきたとされています。
中世になると多くの武家が、競って黒の紋服を着用したと記されております。その理由は、”黒”というものが特に高尚優美であるという見た目だけでなく、羽二重や絹類を当時の檳榔子染で染め上げると、針も通りにくい程に強くなって、刃も容易に通らなくなった…という護身用という実用の意味もあったようです。

紋付や黒留袖など式服としての着物を考えると、多くの場合はその地色は黒に染められています。
こうした黒を染める仕事のことを黒染業といい、その他の色を染めるお仕事とは、別の業種として表現されるほど、黒は特殊な染の一つとされていました。

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2024/05/31

初夏とは思えない暑さが続きます。
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
本店・営業の久保田でございます。

早いもので6月。衣替えの季節ですね。
お着物も袷の着物から、6月には単衣の着物にかわります。
呉服屋としては「単衣の着物は6月から」という基本的な情報をお伝えしたうえで…
この暑さですので、特に普段着としてお召しいただく際には気候に合わせた臨機応変な衣替えをお伝えさせていただいております。

衣替えを行ったら袷のお着物とは10月までしばしのお別れです。

 

さて、お着物をお召しになってから箪笥にしまうまでに、こんなお悩みを持ったことはないでしょうか。

着物が上手に畳めない…
しまい方があっているのかわからない…

今回はお着物をお召しになった後の流れの中で、お着物を綺麗な状態で保管していただくためにここはチェックしていただきたい!というポイントをご紹介していきます。
少しでも参考になりましたら幸いです。

 

~着物を干す~

お着物をお召しになった後は、簡単なシワを伸ばすために着物を着物ハンガーなどに一日程度かけておきます。
ついでに状態を確認しておきましょう。


写真1

上前、裾、衿、袖口は特に汚れやすい部分ですので、念入りにチェックします。(写真1)
また、雨の中お着物をお召しになった場合は、あらぬところに泥ハネなどがついている場合もありますのでさらなる注意が必要です。
シミや汚れが見つかった場合は早めにお手入れに出しましょう。

どれくらいの頻度でお手入れに出したらいいの?といったご質問を承ることもあります。
しばらく着用予定のないものはお召しになった後に、まだ着る予定のあるものはワンシーズンに一回のお手入れをおすすめしております。

衣替えの時期に合わせてお手入れに出すようにすると、長期間しまう前に綺麗な状態で保管できますし、うっかりお手入れのタイミングを逃してしまった、といったことも防ぎやすいと思います。
ちょうど今の時期に袷のお着物をお手入れしていただくとよいでしょう。

 

~着物をたたむ~

さて、簡単なしわ伸ばしと状態のチェックを終えたあとは、着物をたたんでいきます。

着物という独特な形容をしたお召し物、どのようにたたんでいったらよいのだろう…と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、いざたたみ慣れてみると着物はコンパクトにたたむことができる優れものに思えます。
左右の衿や袖といった、同じところを合わせていくと綺麗にたたむことができますし、着物の裁ち方は四角形を基本としており無駄がないので、かさばるところもほとんど出ません。

「着物のたたみ方」を検索するとわかりやすく解説されているところがあるかと存じますので今回は割愛させていただき、呉服屋目線から、ここに気を付けたら着物を綺麗にたためる!というポイントをご紹介していきます。

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2023/12/29

冷たい風に身も凍える思いですが、澄んだ空気に星が綺麗に見える季節でございます。
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
本店・営業の久保田でございます。

新年を彩るゑり善の展示会、京都本店の「初はるの会」と銀座店の「春裳展」。
併せて開催される社員競作の会。
前回のブログではこちらの競作(きょうさく)の取り組みについてご紹介させていただきました。

例えば特定のお柄の、特定のお色のお着物や帯がほしいと思ったとき。
イメージと同じものがなかなか見つからない…
似たようなものは見つけたけれどそれで妥協したくない…
そんな経験はございませんか?

そのようなときは「いちから作る」ということも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
1点ずつ作ることができるというお着物の特徴を活かして、お好みの一枚をお作りする。
そのような「別誂え」もゑり善ではご提案させていただいております。

競作はお客様からお探し物のご相談を受けた際に作るという選択肢を、別誂えのご提案をいつでもできるようにという目的で、社員の勉強のために行われています。

そうはいっても特に別誂えが初めての場合、実際どのような流れで作るのか、本当に思い通りのものができるのかといった不安もあるかと存じます。
そこでこの後は、競作の流れのご紹介とともに、今年初めて競作で染帯を作った私の体験談をお話しさせていただこうと思います。

ゑり善では、1年を通してお着物の基礎の基礎を学んだ入社2年目から制作を行います。
初の競作に実際何を教わり、何を得たのか、どのような思いをもって作ることができたのか。
私の話で誠に恐縮ですが、少しでも皆様の疑問や不安解消の手助けになりましたら幸いです。

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2023/12/23

いつもゑり善のブログ「きものを愉しむ」をご覧いただきまして誠にありがとうございます。
ゑり善の亀井彬でございます。

今年も残すところわずかとなりました。
冬至を過ぎ京都の街も一気に気温が下がり、初雪も見かけるなど、冬本番となってまいりました。
絹のやわらかな温かさがとても心地よい季節です。

さて、この1年を振り返りますと、
改めて美しい着物を創り出すことの難しさを痛烈に感じることとなりました。

■お着物ができるまでには…

 お蚕さんを大切に育て、糸をいただくこと
 その美しい糸をつかって、きれいな生地を織りあげること
 お召しになる人を引き立てる構図を考えること
 美しい配色を生み出すために、糸のように細くでもしっかりと糊で防染をすること
 調和と主張の絶妙なバランスで色を刺すこと
 お客様の顔映りと帯合わせをイメージした地色に染めあげること
 繊細なぼかしにより、色の広がりと着物に奥行をもたせること
 蒸しと水洗いを通して絹に色を定着させ鮮やかな色合いに昇華させること。
 全体のバランスを損なわないように、箔や縫をあしらい華やかさや立体感を生み出すこと

数え上げればきりがない数多くの丁寧な仕事により、着物の世界のものづくりは支えられております。

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2023/11/08


いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
本店・営業の久保田でございます。
前回に引き続き、お買い物の流れをご紹介させていただきます。

着物に関する情報を仕入れ、想像を膨らませ、勇気を出して足を踏み入れた呉服店や展示会会場。
いざお着物選びの始まりです。

 

〈お着物探し〉

たくさんある商品の中から、また、反物状態で保護の巻紙までされている生地の中から、ご自身にお似合いのお着物を見つけるのは大変に思えるかもしれません。
けれど、反物をひらいたらどんな柄が出てくるのか、お顔に合わせてみて印象はどうか、発見していくのはなんだか宝探しみたいでわくわくしませんか。
これはお着物に限った話ではないかもしれませんが、たくさんお品物があってもピンとくるものがなかったり、逆にお品物の少ないときに限って運命の一着を見つけられたり、なんてこともございます。出会いというのは不思議なものですね。

ひとつのお着物と巡り合うのに、数時間かかることもしばしば。
お鏡もありますので、ぜひお顔映りをご覧いただきながら、じっくりご検討くださいませ。
この色は似合わない!と思っていてもいざお顔と合わせてみると意外と合うかもと思ったり、やっぱり似合わなかったと納得できたり、新たな発見もございます。
お着物はお洋服と比べて色の種類が多く、微妙な色の差が、お顔と合わせると大きな違いになった、なんてこともございます。
例えば同じピンク色でも赤みの系統、青みがかかったお色など違いがございますので、お顔立ちによって、合うピンク合わないピンクがございます。
少しでも気になったものはぜひお顔映りをご覧いただくことをおすすめいたします。

 

じっくりとお着物をご覧いただき、ご検討いただき、お気に入りの一着とのお出会いがあったら、、、

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2023/11/07

いつも弊社のブログ「きものを愉しむ」をご覧いただきまして誠にありがとうございます。

秋を迎えて、朝晩は涼しい日も増えてまいりました。
「秋」といえば、紅葉の秋、芸術の秋、食欲の秋。
特に今年は様々な場所でお集まりや展覧会などが開催されており、にぎやかな秋を迎えております。

男性女性問わず、お着物姿のお方を見かけることも多く、着物に携わる者としてとても嬉しく思っております。

そんな中で、私も着物姿で参加することがあると、ご興味を持ってくださった方から、

 ・着物はどのようにして誂えるの?
 ・着物ってどうやって購入するの?
 ・着物のサイズはどうなっているの?

等のお買い物についてのご質問を受けることが何度もございました。

以前は商店街や大きな駅前などには、必ずといっていいほど存在した呉服屋さんも今では少なくなってきているようで、呉服店という存在自体が少し縁遠いものになってしまっているのかもしれません。
着物を着てみたいと思ったけれど…なかなか呉服屋には馴染みがなく入りにくくて…というお声が多いのも事実です。

今回はそんなお声を受けて、「着物を探す愉しみ」と題して、お着物の探し方・誂え方について、2回に分けてご紹介をさせていただきます。

京都に存在する専門店なども皆さん同じだと思うのですが、
私たちの”知りたい”や、”解決したい”に寄り添って相談にのってくれるのが専門店であると実感しております。

この投稿を通して、呉服店というものに対するイメージが、
堅苦しいものから、もっと身近なものに。

“ゑり善で待ち合わせを…”そんな風に思っていただけましたら幸いです。

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2022/12/16

寒さもひとしお身にしみる頃、皆様いかがお過ごしでございますでしょうか。
いつもご覧いただきありがとうございます。
本店・営業の大西でございます。

お家の大掃除に、年末年始のお仕度など、師走はなにかと気ぜわしいけれども、やっぱり日本人にとってお正月は特別!
そんな特別な日を「きもの」でお迎えしてみるのはいかがでしょうか。
お正月のきものは、実はそんなに堅苦しくはなく、ある意味あまりルールがないのが良いところ。
きものを着ることで、いつもとはちょっとちがう特別なお正月、初詣になることと思います。

きものが「大変なもの」や「めんどうなもの」ではなくなる小さな工夫もあわせて、お伝えさせていただきます。

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京都・銀座・名古屋にて呉服の専門店として商いをする「京ごふくゑり善」の代表取締役社長として働く「亀井彬」です。
日本が世界に誇るべき文化である着物の奥深い世界を少しでも多くの方にお伝えできればと思い、日々の仕事を通して感じることを綴っていきます。